電気について考える 電気事情『蓄電』

電気事情としてまずは「蓄電」から。我が家の蓄電はキャンピングカーにおけるサブバッテリーのことです。多くのキャンピングカーが蓄電のシステムとしてサブバッテリーを積んでいると思います。このサブバッテリーの性能が蓄電の能力です。少し前まではサブバッテリーと言えば鉛のディープサイクルバッテリーが主流でした。今でも多くの方が利用しています。最近はリチウムイオンバッテリーの台頭が著しく顕著になってきました。色々なご意見があると思いますが、私はキャンピングカーのサブバッテリーとしてのリチウムイオンバッテリーは有りだと考えています。その理由は、①安全性が高まった(リン酸鉄) ②商品選択肢が増えた ③価格がこなれてきた ④実質使える容量は鉛の2倍近い ⑤サイクル寿命は鉛の10倍以上 です。

リチウムイオンバッテリーはその使う素材で安全性が異なります。最近はリン酸鉄を使ったリチウムイオンバッテリーが主流となっています。リン酸鉄を使ったバッテリーは他のリチウムイオンバッテリーに比べてセル密度を上げることはできませんが、その代わりに安全性が高いことが特徴です。安全性の問題はこれでクリアできると考えます。さらに市場におけるリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの種類が豊富になり、選択肢が増えました。これはユーザーが選べるということです。より安全なもの,より安価なもの,より性能が高いものをユーザー目線で選択できるということです。種類が増えることは価格面でも競争の原理が働き、以前に比べて安価になってきました。今は性能による差別化が起きています。バッテリー容量や重量、ヒーター機能などによる差別化です。

また、リチウムイオンバッテリーの使用は、同じ電気容量の鉛ディープサイクルバッテリーに比べると約2倍近くになります。これは実質使える電気容量が2倍ということです。鉛バッテリーはその性質上使用時間に比例して電圧が降下します。実容量の50%程度までの利用になります。特に大電流を取り出そうとすると、電圧が下がって利用ができない場合があります。それに比べてリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは時間経過に伴う電圧降下が少なく、電気容量が無くなるまで高い電圧を維持します。長時間電気製品が使えることにつながり、実質容量が2倍近くなる理由です。

また、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは充電サイクル数が大きいため、長く利用できることになります。鉛ディープサイクルバッテリーのそれが500回程度に対して4,000回以上の商品もあり、毎日100%充放電しても10年利用できる計算になります。10年キャンピングカーを利用することを考えると、バッテリー交換回数は、鉛なら3,4回、リチウムなら1回だけで済みます。したがって実質的な価格は鉛と同等か安価になると私は考えています。

今、次世代のバッテリーとして半固体,固体電池があります。しかし市場に出始めたばかりで、安価になるかどうかもわかりません。今考えるならリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが最適と考えています。

どんな電化製品をどのように使うかによってどのくらいの容量の電池を搭載するか決まってきます。家庭用エアコンを使うのであれば、最低でも300AHの容量のバッテリーを積まれることが良いと考えています。それもできればリン酸鉄リチウムイオンバッテリーがよろしいかと。もちろんキャンピングカーは移動手段として利用することが多く、宿泊は車中泊よりテントやホテルという方は大きな電力は必要なさそうですから、100AHの容量で充分かもしれません。

いろいろご意見もあろうかとは思いますが、個人的な見解は次の通り。

・電気使用量      800wh  ⇒ 100AH

           1,500wh  ⇒  200AH

           2,200wh  ⇒  300AH

※個人的な目安です。

利用方法によって調整していただければ。大電流を使う場合は大きめを。

我が家のキャンピングカーは鉛ディープサイクルバッテリー300AH(100AH×3)からリン酸鉄リチウムイオンバッテリー300AH(100AH×3)に交換しました。ヒーター機能付きです。我が家にはリン酸鉄リチウムイオンバッテリーがお似合いです。夏場に家庭用エアコンを使うには十分ではないですが、満足できる容量です。おおむね使える電気量は2倍となり、重量は60kgのダイエットに成功しました。バッテリーの収まり具合もバッチリです。

「蓄電」ということで「ポータブル電源を活用すること」も考え方としてあります。最近多くのポータブル電源があり、どれを選んでよいか迷ってしまいます。小型のものから大型のものまで多くの種類があります。サブバッテリー同様にポータブル電源をどのように使うかによってサイズ,容量が決まります。電子レンジ,ドライヤーを使うことを考えるなら2,000W以上の消費電力で2,000WH以上の容量の製品が良いと思います。携帯やサーキュレーター等の小電力の使用であれば500W,500WHの製品と考えます。機能としては「パススルー」(ポータブル電源を充電しながら給電できる機能)に対応していると大変便利ですが、バッテリーへの負担が大きくなるので利用するときは注意が必要です。

また、100V交流電源が使えるため、正弦波もしくは純正弦波の商品を選んでください。パソコンなどの機器を使うためには正弦波が良いと思います。私はポータブル電源も使っています。「BLUETTI AC200MAX」という製品で、2000Wまでの電気製品が使えて、2,048WHの容量があります。エアコンや電子レンジも使える大型のポータブル電源です。重量は28kgあり、非常に重いです。キャンピングカーを購入して8か月後に購入しました。標準のサブバッテリー容量では夏のエアコン利用に物足りなさを感じましたので。今回サブバッテリーをリチウムに交換したので、少し運用方法の見直しが必要になりそうです。

実際にポータブル電源を購入してよかったと感じたことがあります。①キャンカーの電気システムが障害で使えなかったり、電気容量を全部使いきったときに予備電源として利用できる ②サブバッテリーと併用して使うことでエアコン,電子レンジ,IH調理器,湯沸かしポットの同時利用も可能(使い分けできる) です。ほかにもよくネットで災害時に利用できるとかありますが、キャンピングカーから持ち出して使うことは考えていませんのでメリットとは考えていません。災害時はキャンピングカーで避難することを考えていますので。(車が使えなかったらおしまいですけど)あとは効率を度外視してサブバッテリーの充電ができます。実際に役に立ちました。

我が家ではポータブル電源といっしょに折りたたみ式200wソーラーパネルを購入しました。こいつが結構役に立ちます。3時間でおおよそ450WHほどの充電が可能です。ポータブル電源容量の20%強になります。天気の良い日はキャンプ場などで連泊するときにパネル広げて充電します。

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